「赤字受注はするな」と言っていた営業部長が「赤字でも受注してよい」と言い始めたのは、このコラムを読んでからのことです。
赤字とは利益がマイナスのことですが、営業利益と限界利益は意味が違います。一般に赤字と言うと、売上高-(売上原価+販売費・一般管理費)=営業利益がマイナスのことですが、売上高―変動費=限界利益が大事です。原価の中には生産・販売量に比例して増減する変動費と比例しない固定費があり、受注したときに増えるのは売上と変動費だけで固定費は受注可否に関係なく一定です。すると、受注して増える利益は限界利益増分になります。そこで、受注可否の判定は限界利益で行えばよいことになり、営業利益が赤字であっても、限界利益が赤字でない限り受注してよいのです。
何か狐につままれたようですが、製品1個の売値:200円、変動費:100円、固定費:400円のときの下記利益図表で説明しましょう。図1は現在3個売れている時で、営業利益はー100円の赤字です。この赤字製品に受注がきて、計4個売れたときが図2で、営業利益は±0円になりました。さらに受注がきて、計5個売れたときが図3で、営業利益は+100円で黒字になりました。このように限界利益の増加分に相当する営業利益が増えていることがわかります。
そこで、営業部長が「赤字でも受注してよい」と言ったのですが、正確に言うと「営業利益は赤字でも、限界利益が黒字なら受注してよい」ことになります。ただし、限界利益が赤字の製品は絶対ダメです。出血大サービスとは限界利益がマイナスのことで、出血を放っておくと命にかかわるので、早速治療しましょう。
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次のような商品があります。
見積限界原価 65円=材料費50円+変動加工費15円
見積製造原価 80円=65円+固定加工費15円
見積総原価 97円=80円+販売費・一般管理費17円
(ここでは販売費・一般管理費はすべて固定費)
基準販売価格 100円=97円+営業利益3円
この商品に対し、顧客から70円の指値をされました。
受注すべきでしょうか、それとも断りますか。
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